木を売り、米を買い、酒を造る。
何代にもわたり必要とされてきた意味を問う。
かつて芭蕉が詠み、広重が描いた信州木曽街道。その木曽谷の奥深くに湯川酒造店はあります。酒蔵の立地は標高936m!「日本で最も星に近い酒蔵」というキャッチコピーも素敵です。酒造期中の12月〜2月頃にはマイナス18℃まで気温が下がるそうで、さすがに「酒は寒造りが良い」とはいえ、この条件では逆にモロミを暖めなければいけないという不利な条件。また、もともと木曽路を包む木曽谷の約9割は森林地帯。その昔、耕作地の狭い木曽地域では米を作る事ができず、米年貢の代わりに木年貢(木の年貢)が課されていたという歴史があります。近年、日本酒蔵のドメーヌ化が流行りとされ、原料から一貫した酒造りが取り沙汰されていますが、「酒造りにも適していない」「米作りにも適していない」土地で、創業は1650年より370年近くも続いているのはなぜだろう?その土地で何代にもわたり必要とされてきた意味を問うお酒です。
十六代九郎右衛門
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