

山口県の日本酒人気を探るために、様々な蔵元の日本酒を集めて利き酒した時のこと。
あまりにもノーマークだったのですが、この山縣本店の日本酒が非常に美味しかったことが始まりとなります。すぐ翌週にアポイントをとって蔵元を訪問し、そのワケがわかりました。
全盛期1万石以上造っていた生産量が現在では600石。現社長も蔵を辞めようか考えていたところ、娘の美佐子さんが帰ってきて蔵を継ぐことになります。
また、前の杜氏が辞められて、現杜氏である小笠原光宏さんが蔵人として10年以上勤めていたということで、杜氏になったわけですが、造り初年度から酒の味がガラリと良い方向に変わったといいます。
そこで社長もやる気を取り戻し、蔵の改革に努めます。大型タンクを処分し、小仕込みタンクの導入や低温熟成用の大型冷蔵庫の購入など、蔵の設備を一新していきました。
「山縣という名前は呼び名がにごるから嫌だ(昔、にごった酒は品質の悪いということから日本酒の名前は濁点が付かない呼び名が多い)」という社長を説得し、「勝負をかけたブランドですから自らの名前を付けましょう」ということをのんでいただきました。
「山縣」は、商品名・ロゴ・デザイン、流通まで既成品とはまったくことなる新ブランドとなります。